奈良県で空き家を再生し続ける大家さん、
【いこまま大家さん】に密着取材。
1軒目
最初に案内していただいたのは、高速の出入口からほど近く、主要道路から少し入った静かな住宅街の一軒。
玄関に入った瞬間、ふっと伝わってくるのは、前の住人さんがこの家で過ごした時間の丁寧さ。
「ここ、すごく大事に住まれてたんですよ」
その言葉通り、家の隅々に“暮らしの記憶”が残っています。
この家は、 【いこまま大家さん】ご自身がDIYで手を入れ、すでにすぐ住める状態に。直した跡ではなく、生き返った感じがありました。

2軒目
次に向かったのは、主要道路沿いで商業施設が充実したエリア。
一方で、家の裏側には広い畑が広がり、人目を気にせずのびのび暮らせる環境。
便利さと開放感、どちらも手に入る物件です。
リフォームは8割ほど完成。
この日はちょうど、
「風でアンテナが倒れてしまって…」
と、修理業者さんがお見積もりに来られていました。
暮らしを整える作業は、完成後だけでなく、こうした日常の積み重ねでもあります。

3軒目
最後は、主要駅から徒歩11分。
この立地で、この眺望。思わず声が漏れるほどの景色です。
室内には、まだ多くの残置物。
これから手が入る、まさに“途中”の状態でした。

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Q 1
空き家を再生しようと思ったきっかけは?
「最初は、自分の実家を相続したことがきっかけでした」
遺品整理をしながら、
「この家、まだ誰かに使ってもらえるんじゃないか」
そう思い、再生に取り組んだそうです。
「一度やり切ったら、自信になって。
じゃあ今度は、自分で空き家を買って賃貸に出してみよう、って」
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Q2
いま、3軒同時進行されている理由は?
「たまたま、良いなと思う物件が3つ同時に出てきたんですよ(笑)」
周囲からは
「それはさすがに無謀じゃない?」
と言われたそう。
「でも、良い物件って本当にタイミングとご縁なんですよね」
もちろん、全部を一気に完成させるわけではありません。
不要なものの撤去、雨漏り修繕、壁のDIY塗装…。
やることは山ほど。
「だから、一つ一つ。順番に、ですね」
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Q3
お一人でされているんですか?
「いえ、主人と一緒にやっています」
ご主人は床貼り担当。
「この床、主人が貼ったんです」と、少し誇らしげに。
【いこまま大家さん】は漆喰壁を手で塗ることが多いそう。
できない部分は、無理せず業者さんへ。
自分たちでやるところ、任せるところ。
その線引きも、とても自然でした。
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Q4
空き家再生で一番難しいことは?
「どこを残して、どこを直すか、ですね」
住む人に喜んでもらいたい。
でも、その分を家賃に上乗せしてしまうのは、何か違う。
「だったら、できるだけ次に住む方の希望に合わせたいんです」
【いこまま大家さん】のスタイルは、
「はい、この物件どうぞ」ではなく、
一緒に、どんな暮らしをしたいかを考えること。
そして、この家づくりは、ここで終わりではありません。
「次に住まれる方も、DIYしてもらっていいんです」
壁を塗ったり、棚を付けたり。
この家に“住む人の手”が加わって、完成していく。
それも含めて、 【いこまま大家さん】の考える賃貸のかたちです。
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Q5
残置物のある物件、大変じゃないですか?
「大変です(笑)」
車で何往復したかわからないそう。
「でも、多分、私これ好きなんですよね。
片付いて、どんどんきれいになっていくの」
ただ、その期間、
自分の家が散らかることもあるとか。
そこに、思わず笑ってしまいました。

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住む人に、地球に、やさしく。
DIY賃貸で空き家を救う。
もはや「大家さん」というより、
空き家プロデューサー。
今も、DIYで賃貸に出す方法を学ぶ講座に通いながら、日々勉強を重ねているそうです。
いこまま大家さん、このたびは貴重なお時間をありがとうございました。

